三毛猫男爵の冒険: とびだせ　どうぶつの森　第２話　初めて村に降り立つ

電車から降りると

電車から降りて、こじんまりとした駅を出ると、村民のみんながコソコソ話し合っていましたしばらくすると、こちらを見て

「よ～こそ～～！」「村長！お待ちしてましたよ～！」彼は、（村長って何のこと）と思い「ボクのこと？」と訪ねました

「 ……もぅ～、当たり前でしょう！他に誰がいるんですか！」黄色いイヌは体をくねらせ言いました「この列車で来るって約束してたからみんなでこうしてお待ちしてたんですよ～？！」
彼は、心当たりが全くなかったので「何かの間違いでは？」と答えました
「いえいえ、ちゃーんと約束したとおり！何も間違ってないですよ～！驚かそうとしてもダメですから！ホントゆかいな方ですネ！うふふ…」黄色い犬は、以前から決まっていたかのように話ました
「ちょっと、ちょっと！」彼は、思いもよらない話に動揺していました。

「ま、とりあえ詳しいお話は役場の中で！地図を渡しておきます。この記号の所が役場ですので今から一緒に行きましょう！」
彼には、もう反論する余地が残っていませんでした彼と黄色いイヌは、地図に書いてある役場に向って歩き出しました

石橋を渡り、森の木々はすっかり紅葉していました

地図をたよりに役場に着きました
彼は、小さくながらも、おごそかな役場に緊張した気持ちになりました。

黄色い犬は、しずえさん

扉を開けると役場の中は、古めかしく、高度経済成長期に建てらたまま、そのままゆるやかに年をとった建物のようでした
季節外れのヒマワリの前に黄色いイヌは立って話し出しました

「では改めまして村長、ここがあなたの職場でもある役場です」黄色いイヌは何かに気づいて、ハッとしました。
「あっ！申し遅れました！私もここの職員で、あなたのお手伝いをさせていただく秘書のしずえです！」
彼は黙って聞いていました

「それにしても、正直に言っちゃうと、こんなに若い方が来るなんて思ってもみませんでした！」彼は、しずえさんが、やはり人違いしているんだと思いました
「なぜって前の村長さんが長年務めたおじいちゃんでしたから… あなたならフレッシュな村のイメージにピッタリですね！！」
彼は、しずえさんの心が前の村長さんからあっさり気持ちが切り替わっているのをみて、（女ってこうだよな）と思いました

「さて…村長としてのお仕事もゆくゆくはやっていただくのですがまずは村民登録をしなきゃいけませんね！えーっと、村長さんここに名前を書いて、と… あら、たいへん」辺りは、静まり、しずえさんは、口を大きく開て、手を延ばし、お尻を突き出したまま固まってしまいました。

しずえさんは、意識を取り戻し「わたしったらうっかり大事なことを忘れてしまいました！」と苦虫を噛んだような顔して言いました「村民登録をするためには住所が必要なんですぅ～」しずえさんは汗を吹きながらジタバタしていました。そんな姿を見て彼は、不覚にも萌えていました。

「 …お家まだ、決まってませんよね？だったら最初に住む所を探さなくっちゃ！せっかく役場まできていただいたのに段取りが悪くてごめんなさい！」しずえさんは、大きくため息をついて言いました

「えっーと、線路の向こうの商店街にたぬきハウジングという不動産屋さんがあるのですが…そうそう、地図を見てもらった方がわかりやすいかしら！？踏切を渡ったその先が商店街になってるんです。」と地図に指差し教えてくれました

「すみませんがわたしは雑務がありますので、ひとひで行ってくださいますか？その間にこのあとの準備も進めておきますので！住む所が決まったらまたここは戻ってきてくださいね！」
彼は、村長になることに納得はしていませんでした。ですが、住む家がないとどうにもなりません。言われた通りたぬきハウジングに行こうと思いました